「市場価値を高め、いつでも好条件で仕事を選べる」という自分でいたいなぁと昔から思っています。
20代の半ばで読んだ勝間和代さんの「インディでいこう!」の影響だったと記憶しています。就職氷河期に新卒で就職したわたしは、キャリアについて不安いっぱいだったのだと思います。
そのためにわたしがしてきたことは、
自分の値段を知る、売れるスキルを知る、そこに近づく、という3つのプロセスです。
結果として現職は勤続11年。
希望すれば転職できるけれど、好きだから現職で働いているという状況です。
今すぐ転職したい方も、そうでない方も、自分のキャリアについて不安のある方のヒントになれば幸いです。
目次
自分の値段を知る
あなたが今会社から得ている年収はいくらでしょうか。
転職したら、年収はいくらになるのでしょうか。
今の年収は、適正なのでしょうか。
他の人の年収って、とても気になりますよね。
年収ランキングの数字や、〇〇社の平均年収、という特集は、とても人気があります。
社内の同僚の年収も、とても気になるところですよね。
残念ながら、他人の年収を知っても特にいいことは起きません。
でも、「自分の値段」を知ることは、大きな価値があります。
自分の値段を知る方法は簡単。
転職市場に聞いてみればよいのです。
職務経歴書を書き、ビズリーチやLinkedInやなどのネット上の転職支援サービスに掲載します。するとまもなく、転職エージェントから連絡がやってきます。
職務経歴書作成のポイント
今の自分と同じ業界、同じ職種の求人情報を探します。
求人情報は、自社の競合や同じ業界の会社の、人事採用ページ、もしくは転職サイトで見つけることができます。
5社ほど見て、共通して求められる内容を抜き出します。
- 仕事内容
- 求める人物像
- 必要なスキル(必須条件と推奨条件)
そして、必須条件のスキルに当てはまる自分の過去の経験を中心に、職務経歴書を書きます。
ここで大事なのが、社内評価ではなく、市場評価の目線で作成すること。
社内評価
- 同期で一番
- 社長賞を獲得
市場評価
- ○○という課題に対し、△△を行って、□□増という結果を獲得。
1社が長い方や(わたしです)社内政治の強い会社にいる方は、つい社内目線になりがち。
でも、転職市場での自分の値段を知りたいので、客観的な情報を書きます。
「良い例」の○○には、新規顧客の獲得やリピート注文の増加など、業界の課題を。
△△は、デジタルマーケティングなど求められるスキルの実施経験を入れます。
□□は、数字を入れるのが伝わりやすくてお勧めです。
moto(戸塚 俊介) さんの「転職と副業のかけ算 生涯年収を最大化する生き方」がとても参考になりました。
転職エージェント面談のポイント
どの転職エージェントと会うべきか
転職支援サービスに登録して1週間ほど待つと、転職エージェントからどんどん連絡がきます。大体このようなパターンです。数件メッセージを見て、話してみたいと感じた転職エージェント2-3社に連絡を取ります。
- 具体的な転職案件を添えて、「興味があれば連絡ください」
- 「今すぐ転職を考えなくてよいので、一度気軽にお話ししませんか」
連絡の際のポイントは、自分の転職に対する状況と希望を正直に伝えることです。
ここで転職エージェントに会う目的は、自分の値段を知ることです。
自分の値段とは、いまの自分が応募できる求人はどのようなものがあって、その年収はいくらか、で分かります。
それを知りたいと正直に伝え、かつ会いたいと言ってくれるエージェントの中から、面談先を選びます。
原則的に転職エージェントは、転職を成立させて報酬を得る仕事です。
業界業種にもよりますが、転職者の年収の30%程度です。
そのため、「転職エージェントに会うのは、転職すると決めてから」と思いがちです。
しかし、「機会があれば転職したいけれど、今すぐではない」という転職候補者を探すことも、仕事の範囲にしている転職エージェントがほとんどだと個人的には感じます。
エージェントに会って話を聞いてみて、転職したいと思う人もたくさんいそうですよね。
お互いの時間を無駄にしないために、面談の目的を正直に伝え、それでも時間を取ってくれる相手を選ぶとよいと思います。
エージェント面談で聞くべき3つのこと
職務経歴書をもとに自分のスキルや職歴を伝え、この3点を相談します。
- 今の自分が転職するなら、年俸はいくらか?
- 今の自分に紹介できる求人内容とその給与範囲は?
- 自社の業界・業種で、将来性と希少性があるスキルは何か?
同じ求人でも、求職者の経歴やスキルによって転職時の給与は上下します。
このため、ネットやメールでは、求人の給与範囲は原則非公開ですが、面談の場では教えてもらえることが多いです。
なお、以下のような逆質問を受ける場合もあるので、あらかじめ考えておくと良いです。
- どれくらいの年収を希望か?
- 仕事選びで譲れないものは?(給与、環境、人間関係などなど)
- どういうキャリアプランか?(専門性を深めたい、部下をたくさん持ちたいなど)
なお、エージェント担当者との相性もあります。
1人の話で判断せず、2-3社と会うことをお勧めします。
売れるスキルを知る
売れるスキルと売れないスキル
では、売れるスキルと売れないスキルって何でしょうね?
それは、「市場で評価されるか」ということです。
組織には、「この組織内だけで評価される」仕事があります。
組織内の人間関係や上司の評価ポイントに詳しくなる、「昔からやっているから」という理由で続いている業務に熟練する、組織内の便利屋になっている、など。。。
こういう仕事は、組織内では評価されますが、転職市場では「売れないスキル」です。
でも、いまの組織にずっといるとは限りません。
会社が危なくなったとき、自分が辞めたくなったとき、転職市場で「売れる自分」でいたいですよね。
売れるスキルとは、どの企業も欲しがっているが、市場にそのスキルを持つ人材が少ないスキルです。
売れるスキルを見つける方法
売れるスキルは、転職エージェントが知っています。
クライアント企業の採用現場にいるエージェントは、企業がどのような人材を求めているかを知っています。多くの人が持っていて今後需要がなくなるスキルと、希少性や将来性があるスキルについて肌感と知識を持っています。
今なら、前者がAIで代替されるスキル、後者がAIを使う側のスキル、のようなイメージです。データサイエンティストが代表的ですね。残念ながら私はエンジニアではないのですが。
将来性のある方向にシフトし続ける
転職する
転職エージェント面談の時点で魅力的な求人があり、転職したくなれば、それもありです。
こういうケースがあるので、エージェントは「そのうち転職」求職者との面会も主業務のひとつにしていると感じます。
今の職場に将来性がないのであれば、転職して環境を変えるのも有効です。
今の仕事で「売れるスキル」に近づく
すぐに転職しない場合は、エージェントが教えてくれた売れるスキルを今の仕事で掴む努力をします。
- 上司との面談で「こういう業務に挑戦したい」と前向きに話す
(売れるスキルを身に着けたいです!って言ってはダメですよ^^) - 異動の希望や仕事の割り振りの希望を出す際に、将来性ある仕事に積極的に手を挙げる
慣れた仕事をするのは楽なのですが、気づけば社内の便利屋になっていると、将来の私が困ります。
「市場価値を高め、いつでも好条件で仕事を選べる」という目標は、自然と、将来性のある仕事へ挑戦したいモチベーションを与えてくれます。
自分の値段を知る、売れるスキルを知る、そこに近づくというサイクルを繰り返すと、自然と市場価値の高い自分になっていきます。
ちなみに私は1-2年に1回、エージェントと面談をしています。
転職市場よりも2割程度低い年俸で仕事をしていますが、現職の年俸以外の価値に感謝しており、転職をしていません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。