家族

子どもの「好き」を一緒に楽しむ ~乗り子鉄ブームが去って気づいたこと~

わが家の次男は、乗り物大好き。
赤ちゃんの頃からバス、電車が大好きでした。

「でした」と過去形で書いたのには理由があります。
丸3年続いた次男の乗り物ブームに、ある日突然終わりが来たのです。

子育ての「いま」は嵐のようで大変だけど、「あの時こうしていれば」と後悔をしたくない。

子どもの「いま、ここ」を大切にしたい。そんな自分へのメッセージも込めて、過ぎ去った次男の乗り子鉄ブームと、その時々の自分を振り返りたいと思います。

 

我が家の乗り子鉄

次男の乗り物好きは、バスから始まりました。

「バスを見る⇒乗る」を経て、2歳で子鉄デビュー。
「電車を見る⇒乗る」、「ローカル線に乗る⇒特急に乗る」へと進化していきました。

ようこ
ようこ
乗り物好きのお子さんを持つ方や、お子さんの「好き」に戸惑いつつも応援したいと思っている方の参考になれば幸いです。 

【1歳~:バス】子どもの「好き」をやり過ごす

次男が乗り物に興味を示し始めたのは1歳の頃です。

バスを見ると釘づけになり、「バス!  バス!」と大興奮。
保育園の帰りにはバスが通る幹線道路から離れませんでした。
バスを永遠に見ていたい次男と、乗り物全般に興味のない長男。
そんな2人
に挟まれて、わたしは、いつもとても困っていました。

1歳半になる頃には、見るだけでは治まらなくなり、毎日のように「バス乗りたい!」と大騒ぎ。

保育園からの帰宅途中にバスのルートはありません。
バスに乗ったら帰りが遅くなるし、、長男はバスに興味がない。

いつも「お休みの日に乗ろうね」とごまかしながら、その場をやり過ごしていました。

【2歳~:在来線各駅停車】子どもの「好き」に一歩寄り添う

バスしか知らなかった次男も、1歳後半には電車の存在に気づき、「電車乗りたい!」に進化しました。
平日、帰りのバスと電車バトルに疲れ果て、2歳を過ぎた頃からは週末に次男だけを連れて、在来線各駅停車の旅に出るようになりました。

電車に興味がない長男に気兼ねなく、ただひたすら「電車に乗る」ことが目的

「電車=移動手段」としか考えてこなかったわたしにとっては、無駄にも思える行動でしたが、次男がうれしそうにしているのを見て、心が満たされる不思議な幸福感を感じたのです。

当時はコロナ流行中だったので混雑を避け、週末の午前中に3時間かけて、自宅最寄り駅から3駅以内の上り・下りを往復する日々。

そんな話をママ友にしたら、「えー!  大変!」と憐れむような反応が返ってきました。

でも、わたしにとっては楽しくて心が温かくなる時間。
「自分にとって大切なもの=自分軸は、自分で大切に育てるものだと理解しました。

【2歳半ば~4歳頭:特急】子どもの「好き」を一緒に楽しむ

在来線の各駅停車に乗り続けるうちに、すれ違う特急電車の存在に気づいた次男。
「乗りたい!」と言われましたが、高いし遠くまで行きそうだし時間がかかりそうだしいつ発車するか分からないし……と、断り続けていました。

ようこ
ようこ
断る理由をたくさんたくさん考えていた私

しかし、2歳半ばのある日、意を決して特急デビューすることにしました。
今思えば、次男の「好きに付き合う」から、「一緒に楽しむ」にわたしが変化し始めた頃でした。

初めて乗った特急は「かいじ」。
料金を調べると、立川~新宿間の乗車券(片道)470円+特急券(指定席)750円。1時間に1本発車しています。

お手頃な値段だし、スマホで特急券を買えるし、乗車10分程度の近距離で乗れるし、意外と簡単だ!と興奮しました。

ついに憧れの特急に乗れて有頂天の次男。もはや各駅停車には戻れません。
私も、一度経験してしまえば意外に簡単だと気づき、その日から週末の電車旅は、特急電車一択となりました。 

その頃にはもう、「移動」のためではなく「楽しみ」のために特急に乗るのは当たり前
家族で遠出するときにも、「特急で行けないか?」を調べるほど、わたしは「特急脳」になっていました。

乗り子鉄におすすめの電車編(関東の特急・通勤電車)

次男が特急ブームだった8カ月間に、 東京発着で乗れる大体の特急にはほぼ乗りつくしました。
ここでは、乗り子鉄におすすめな東京周辺の特急をご紹介します。

特急編

JR あずさ・かいじ

あずさ・かいじ・富士回遊・はちおうじ・おうめ(E353系)

中央線沿線でよく見かける特急。
新宿駅から乗車できます。

アニメ、新幹線変形ロボシンカリオンZにも登場する、子鉄に大人気の特急です。

 

JR ひたち・ときわ

ひたち・ときわ(E657系)

品川・東京・上野⇔水戸・いわき・仙台

ときわは、停車駅が多く、小回りよく乗りたい「乗り子鉄」向きです。
ひたちは、一駅が長いので、うっかり乗ると元の駅に戻るのに2時間近くかかることもあり、要注意です。

ようこ
ようこ
同じ車体でも複数の名前があり、それによって行先や停車駅が違うのだと、この頃学びました。

 

小田急ロマンスカー

小田急ロマンスカー

乗り子鉄に大人気の私鉄特急です。
GSE、MSE、EXEα、EXEと4車種があり、特に展望席のあるGSEは大人気。
1カ月前からオンライン予約できるのですが、争奪戦です。

ロマンスカーには何度も乗りましたが、GSEの展望席最前列が取れることはなく、わが家は次男のブーム中には展望席最前列に乗る機会を逃しました。

ブームが去れば、わざわざロマンスカー展望席に乗ることもありません。
「いま」はこうして消え去っていくのだと気づきました。

西武鉄道 ラビュー

池袋線 特急ラビュー

2019年にデビューした西武鉄道の「特急ラビュー」。
弾丸のような銀色の車体に、圧倒的に大きな窓、フカフカのカーペット、目にも鮮やかな黄色の車内。なかなかテンションの上がる車両です。

東武鉄道 スペーシア

特急スペーシア

浅草から乗車できるので、乗車前後に雷門や仲見世通りを見るなど、ちょっとした観光気分を味わえます。
オンライン購入は乗車の5分前まで。

通勤電車編

ここからは通勤電車編。

グリーン席が設置されている一部の通勤電車では、特急のように各席に座席テーブルが備え付けられています。その座席テーブルを出して、何か食べながらピクニック気分で乗車するのが次男のお気に入りでした。

JR 上野東京ライン

 

湘南新宿ライン

子鉄おすすめグッズ編

乗り子鉄と過ごした3年間に出会ったおすすめグッズをご紹介します。

おすすめ本:さかなクンの一魚一会 ~まいにち夢中な人生!

魚好きが高じて魚にまつわる幅広い活動をされているさかなクンの自叙伝。
幼少期から現在まで、魚や生きもの達と夢中で過ごしたことや苦労したこと、魚好きを貫いて得たものなどが語られています。

好きを極めるとどうなるのか知りたくて、いや、次男の電車好きを大人が望む能力開発(数字や文字、空間思考など)に絡める方法を知りたい、という下心を持って読んだのですが、そんな自分を反省。

芽が出なくていい。
成果につながらなくていい。
「好き」を他人の尺度に合わせなくていい。

裏表紙のお母さまの言葉を読んで、親としての懐の深さにハッとしました。

息子の「好き」を応援すること。
一緒に楽しむこと。
それってすごく幸せなことだと感じさせてくれるすてきな本でした。

おすすめ靴下:鉄下

鉄道好きの子どもに人気の靴下「鉄下」。
メジャーな路線からマニアックな路線まで、かなりの種類があります。

新幹線のはやぶさとこまちを片足ずつ履いて、「連結~」なんてしても楽しいです。

 

おすすめ服:Hungry Heartの列車服

男児用の服にプリントされている電車は、たいてい新幹線です。
そんな中、Hungry Heartの服は関東、関西、九州のローカル線に特化した珍しいラインナップです。

次男は新幹線にはあまり興味がなく、在来線の各駅停車や特急が好きなマニアタイプだったので、子鉄時代はHungry Heartの服しか着ていませんでした。

 

 

乗り子鉄、親の心得編

恐る恐る乗り子鉄の親としての経験を積む中で、気づいたことがいくつかあります。

目的と手段をすり替えない

初めて次男と特急に乗った時のこと。
私は大人目線でベストルートを考えていました。

ようこ
ようこ
この時間に出発してあれに乗ってこう乗り換えて事前にチケットを買うと割安だから…(略)

ところが、わたしが小一時間かけて考え抜いたプランは、次男の
「やっぱり別の電車に乗る」
の一言ですべてが水の泡に。

次男を楽しませたくて、プランを練り上げていた私。

いつの間にか目的が「電車好きの次男と楽しい時間を過ごす」から「最上最高のルートで乗車体験を提供する」にすり替わっていたのです
次男は、「ベストなルートでなるべくたくさんの電車に乗りたい」とは考えていません。

このようなケースもあります。

目的は、次男の「いま、ここ」の好きを一緒に楽しむ。その目的を決してすり替えてはならないと肝に銘じています。

ようこ
ようこ
私は何度も失敗しました

「いま、ここ」をぎゅっと掴む

子どもを育てていると、様々なブームに出会います。

ようこ
ようこ
石を集める、棒を拾う、排水溝をのぞき込む、カードを集める、人形遊びをする、自動販売機のボタンを押す、建設現場を眺める、バスを見る、電車に乗る、新幹線の種類を覚える、プラレール遊びをする、きかんしゃトーマスに夢中になる…(男子モノばっかりですみません)

渦中にいると、そのブームが永遠に続くような錯覚に陥ります。
それが親にとって困ることなら、なおさら。

でも、ブームはいつか去ります。
そして、ブームとして過ぎ去った「いま」は二度と戻らないのです。

「いつか余裕があるときに」と後回しにしていたら、その「いつか」は来ないかもしれません。

今は今しかない。
変わり続ける「いま、ここ」に寄り添い続けることを大事にしたいと思っています。

「子どもの「好き」を一緒に楽しむ」を阻むもの

子どもの「好き」を一緒に楽しむ。
そんなシンプルなことが、どうしてこんなに難しいのだろう。

それを阻むものは、「大人の都合」だと気づきました。

✓予定通りに、思った通りに、日々を管理したい。
大人にとって意義を感じることだけしたい。「予定外」に振り回されたくない。

✓「役に立つ」方向に子どもを導きたい。
未来のために、他人から承認されることを。
でも、「役に立つ」って誰が決めること?
これって、他人軸の価値観だなと思います。

他人でも将来でもなく、「いま、ここ」のわが子を見つめて今を満たす。
その先に、子どもが自分の「好き」をたくさん持った未来があるといいなあと思うのです。

ようこ
ようこ
自戒を込めて。

まとめ

その最中には永遠に続くように思える子どものブームは、急に終わりが来ます。終わったら、もう二度と同じ気持ちを味わうことはできません。

子どもの「いま、ここ」は今しかなく、移り変わっていくもの。

親が子どもの「いま、ここ」を大切にすると、「自分の『 好き』 を大切にしていい」という気持ちが子どもに育まれます。
自分の「好き」を応援してもらう経験を通じて、家庭を「子どもが自分軸を見つけて育てる基地」にしていきたいと思うのです。

ようこ
ようこ
できていない私が言うのも何ですけどね

 

やりたいことは、手帳に書いておく

 

わたしの使っている自分軸手帳には、「足し算のワーク」というページがあります。

人生でやってみたいこと、行きたいところ、ほしいもの、ありたい姿などを書くワークです。書いたことを達成・完了したら、チェックボックスに✔️を入れる仕組みになっています。

わたしはこのワークに「子どものペースで生きる」と書いています。
まさかわが子が乗り鉄になり、特急を乗り継ぐ日が来るとは思わなかったけれど、自分の「こうありたい」を手帳に書いておくと無意識に刻まれ、行動しやすくなると感じています。 

「子どものペースで生きる」って抽象的で、完了マークがつけづらい項目です。
でも、抽象的な項目を書いておくと、いつしかそこから「乗り鉄を楽しむ」という具体的な項目が生まれることがあります。それを行動に移すことで、結果として抽象的な「子どものペースで生きる」を実現できたりします。

自分が大切だと思うことを書きだし、実行すると、深い満足感を得られます。そして、ひとつ実現するごとに、やりたいことがより深まっていきます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

やりたいことを手帳に書いておくのも悪くないな、なんて思っていただけたらうれしいです。

 

\自分軸を育てる、仲間と育てる/

ようこ
ようこ
手帳術や子どもとの日々、Twitter @Yoko_and_note でもつぶやいています!