2020年夏、オンラインコミュニティ「はろこみ」でオリジナル手帳を作るプロジェクトが立ち上がりました。それが「手帳クリニックをしたい」という夢と重なり、私は自分軸手帳を作ることになりました。
たくさんの人が力を貸してくれて、自分軸手帳2021は1000部完売。
ユーザーコミュニティである自分軸手帳部を運営してきました。
そして2021年には自分軸手帳2022を制作し、3000部完売しました。
このすべてが、色々な人が力や知恵を貸してくれ、応援してくれた結果です。
自分軸手帳の成長は、他人から見たらごく小さなものかもしれません。
でも私にとっては、自分ひとりができる範囲を大きく超え、十分にザワザワするほど落ち着かない規模になっています。
そんな中で、「恩送りをしたい」と思い始めたのです。
目次
恩送りって何だろう
恩送り(おんおくり)とは、誰かから受けた恩を、直接その人に返すのではなく、別の人に送ること
出典:Wikipedia「恩送り」
アイデアを形にしてくれる人。
絡まった塊をほぐし、進め、磨いてくれる人。
知らせるための方法を考えて、広めてくれる人。
どうしたら伝わるか考えて、深めてくれる人。
皆が進みやすいように、荒野を耕してくれる人。
思いに共感して、賛同してくれる人。
自分軸手帳を作り、ユーザーコミュニティである自分軸手帳部を運営する中で、自分軸手帳は、たくさんの人から恩をいただいています。
一人一人の顔を思い浮かべ、そのことをいつも思うものの、いただいたエネルギーを私が止めてしまっているような、感謝をきちんと表せていないような居心地の悪さを感じていました。
思ったきっかけ
成功にはダークサイドがある
約20年前の本ながら、今も読まれ続けている、神田昌典氏の『非常識な成功法則』に、このような一節があります。
実は、成功にはダークサイドがある。
成功するという事は、「光が当たる」ということだ。光が当たれば、影が濃くなる。そして、影は、成功しつつあるその過程から、既に濃くなり始める。影はあたなの一番弱い部分で、噴出する。
私がこの本を最初に読んだのは、15年ほど前。
そのときは、まったくピンと来ず、「へぇ」と思っていました。
ところが今年また読み返す機会があり、心の片隅に引っかかり始めました。
恩返しをしたい、と言ったあの人
実は同じような話を以前にも聞いたことがありました。
思慮深く利他的で、たくさんの人から尊敬されている人が、似たようなことを言っていたのです。
自分の提供するものをたくさんの人が受け入れて、選んでくれる。
自分は受け取りすぎているから恩返しをしたい。
それを聞いた時も、ピンと来ませんでした。
あの人は既にたくさんの人に多くを与えている。
私を含め、周囲の人が恩返しをしたいくらいなのに、あの人が恩返しをする必要なんてあるのだろうか?と思ったのです。
コーチングで心を探る
この2つの情報と、自分軸手帳の成長への落ち着かなさが自分の中で数か月発酵したあとに、「恩送り」という言葉にアンテナが立つようになりました。
それが沸点に達したとき、コーチの力を借りて思考を深堀りしました。
そして、自分にとっての恩送りがふと腑に落ちたのです。
私にとっての恩送り
最初、「恩送りをしたい」と感じたのは、成功のダークサイドを薄めたいと思ったから。
不安が出発点でした。
転換点はコーチのこの質問。
恩送りを言い換えると、どんな言葉になる?
恩送りという言葉を改めて考えると、私はエネルギーを循環させたいのだと気づきました。
エネルギーを私で止めると1だけど、広げれば10にも100にもなると思ったのです。
それを思う時、どんな感覚になる?
自分軸手帳をまっすぐ成長させ、「自分らしく楽しく生きる」人を応援することが恩送りになる。 それは一人で何かをなしとげるより、ずっと意味があって幸せ。私は、「なにかの一部」としての役割を果たして、より大きなものに貢献したい。
私がいただいているサポートや応援は、
ひとりひとりに「恩返し」するのがいいのか?
別の誰かを応援することで「恩送り」するのがいいのか?
はたまた、対価や寄付などでお金を社会に循環させるのがいいのか?
と考えていましたが、もう少し心の奥深くを探してたどり着いたのが、こちらでした。
そして、コーチングセッションからしばらく経った別の日に思ったこと。
コーチングのセッション中に感じた、「自分よりもっと大きなもの」。
その時は、社会や世界かな~とぼんやりイメージしていたのですが、主語を「私」から「自分軸手帳」に変えると、ストンと理解できました。
恩をいただいているのは、私ではなくて自分軸手帳。
自分軸手帳を成長させるために、自分にできることをするのが私の役割だと自然に思えました。
余談ですが、私は自分軸手帳の「部長」と呼ばれることに、実はずっと違和感がありました。
でも、私自身が自分軸手帳の一部だと思えたとき、「部長」は敬称ではなく記号として受け入れられるようになりました。
自分軸手帳の成長こそが、恩送り
自分軸手帳が目指すものは、
自分軸を育てる。
仲間と、育てる。
自分軸手帳を通じて自分軸と自己効力感を見つけ、育てるお手伝いがしたい。
自分らしく楽しく生きる人を応援したい。
独りでできないことは、仲間としたい。と願っています。
恩をいただいているのが私だという感覚でいた時は、「自分が頑張らなくては、人に迷惑や負担はなるべくかけないように」と抱え込みがちでした。でも、私は自分軸手帳の一部であり、「仲間と自分軸を育てる」ために手帳や手帳部を提供し、恩送りをすると思うと、人に頼ることへの抵抗感が薄れていくように感じています。それが、助けてくださる皆さんにとっても、強みを活かした働き方になるといいなと望んでいます。
私の勝手な考えかもしれませんが、自分軸手帳に力を貸してくださる皆さんは、自分軸手帳を通じて他人軸を卒業する人、やりたいことを見つける人、毎日が自分らしく充実することを喜んで、応援してくださるのではないだろうか。
私は自分軸手帳の一部として、このWHYを改めて大切に、いろんな人のお力を借りながら自分軸手帳を伸ばしていくことが、何よりの恩送りになるのかな、と思いました。
自分と自分軸手帳が混ざってきて、よくわからないことになってきましたが、不思議と心が穏やかになりました。
手帳についてTwitter @Yoko_and_note でもつぶやいています!