家族

地域で子どもを育てよう(小学校1年生編)

ようこ
ようこ
子どもが小学生になり、子育てのステージが大きく変わりました

地域で子どもを育てるのが大好きです。

長男が保育園児の頃は、近所の子育て世帯と家族ぐるみでたくさん遊ぶ子育てを楽しんでいました。
そして、当然のように小学校でも同じように、たくさんの大人や子どもと関わりながら親子で育っていきたいと思っていました。

長男の小学校選びは、最寄りの公立、私立はカタカナの○○教育系、放課後の学童が充実した教育熱心系、超小規模のオルタナティブ教育系など様々な学校を選択肢に入れて調べ、夫婦で学校見学したり何度も夫婦で話し合いました。

結論として、毎日友達とたくさん遊べる環境を望み、最寄りの公立小にしました。

本当の小1の壁は、子ども主導の人生のはじまり

小1の壁という言葉があります。

一般的には、共働き家庭の小1を持つ家庭が苦労する、子どもが小学校に上がると保育園時代に比べて、仕事と子育ての両立が困難になることを指します。

  • 保育園と小学校の預かり時間が異なり、働く親は小学生の帰宅時間に合わせた調整が困難
  • 平日昼間に小学校の用事(面談、保護者会)が何度も設定され、仕事の調整が困難
  • 夏休みなど長期休暇があり、子どもの居場所の確保や弁当作りが大変

我が家の場合、コロナで完全在宅勤務になったことで、平日昼間の用事に簡単に行けるようになったり、たまたま子どもが学童が大好きで長期休みは率先して学童に通ってくれるというラッキーがありました。学校からのプリントが分かりにくいなどはありますが、このあたりの壁を一切感じることはありませんでした。

ようこ
ようこ
前置きが長くなりましたが、やっと本題です!

小学1年生:子どもの変化

長男が小学生になり3カ月経ったころ。
あれ?これまでとは違う、と思うことが増えていきました。

長男は、学校や学童で気の合う仲間を見つけるようになりました。
上の学年と遊ぶ機会も増え、週末は児童館や公園で待ち合わせ、朝から夕方まで帰ってこないことも増えました。

親の私からは、とても限られた断片しか見えません。
どんな友達なのか、その親はどんな人なのか。
保育園時代なら容易に掴めていた情報が、かなり手に入りづらくなりました。

保育園時代は、親主導でした。
親が選んだ仲良しの友達と遊んだり、親が計画した旅行をしたり。
友達付き合いは多かったのですが、基本的には親が選んだ合う相手ばかり。
子どもの意見を汲んではいても、あくまで親が主導していたのです。
ある意味、とっても楽でした。

小学生になった途端、息子が友達を選んで連れてくるようになりました。
我が家では与えていないゲーム機を持っていたり、その子の家ではYouTubeを見放題だったり、家で食事をせずにお腹を空かせて遊びに来たり。
保育園時代に「親の私が選んだ世界」にはいなかったような友達の出現に私は戸惑い、
何の予備知識も心構えもなく、知らない・合うか分からない相手との付き合いが強制的に突然始まることに、超びっくりしたのでした。

小学1年生:親の役割の変化

保育園時代の子どもの世界は、親が主導しています。
私はいろんなご家庭とお友達付き合いをして、週末には家族全員で楽しめる旅行を計画し、とても楽しく満足していました。
例えば営業部長か経営者のように、自分に主導権と選択権があったのです。

でも長男が小学生になったら、私は自分で攻める営業から、向こうからやってくるお問い合わせに対応する総務やお客様窓口に異動していましたしかも急に強制的に

しばらくその役割の転換に気づかず、「親が望むイイ感じの子と付き合ってほしい」と抵抗を重ねて、苦しさと戸惑いを抱えていました

半年ほど葛藤してから、親が主導してきた世界から、息子本人の人生に変わったのだと気づきました。

今は小学生なので、親が望めばまだ主導権を握ることは可能です。
でもここから先は、本人が望む交友関係、恋人、結婚相手、仕事へと息子本人が道を選び、息子は彼の人生を生きていくわけです。

それに気づき、親としての階段を一つ登ることになりました。
これが、私にとっての小1の壁でした。

私を救ってくれたメンターの言葉

小1の壁に出会い乗り越えるまでに、ずいぶんと葛藤しました。
Twitterやリアルの雑談で頭の中を垂れ流していたら、ざわつく胸の内や違和感が言葉になり、自分より先を歩く人生の先輩や、メンターと相談できました。

感謝を込めて、そして私と同じ課題に出会う人へ恩送りとして、メンターの言葉を紹介します。

小学校の校長先生

用事で小学校に行ったとき、たまたま校長先生が話しかけてくれて雑談しました。

コロナ禍の小1、入学当初からコロナなので、ある意味これが当たり前です。
黙食もマスクも行事がないことも大人から見れば不便で可哀そうですが、すべてが新しい経験である小1にとっては、特に気にしていないようで、小学校生活を楽しんでいます。

そんな話をしていたら、校長先生がこのようなお話をしてくれました。

小学生になると、子どもは学校や家庭、習い事、学童などいろいろな居場所を得て、子ども自身が自分で社会をつくっていきます。

むしろ大人のほうが心配なのです。
コロナで在宅勤務になり、地域との繋がりもなく、隔絶された環境にいる。
そんな大人が、家庭で自分の子どもだけ見ていると、小さな世界でどうしても視野が狭くなり、苦しくなる。大人が地域や学校と繋がることで、子どもを地域で、社会で育てることができるようになりたいのです。コロナであらゆる機会が奪われていますが、少しずついろんな機会を増やしていきます。

 

長男が通う小学校は普通の公立小ですが、地域や周辺組織に恵まれていると感じます。
PTAで行事も多く、親同士、親と学校が関わる機会が多く用意されていて、自然と地域で子どもを育てることになります。

コロナであらゆる行事が中止になり、同じクラスの保護者とすら知り合う機会がない現在ですが、このような校長先生がいることにとても安心しました。

育児の先輩:友人おかたむさん

おかたむさんという友人がいます。
お子さんが3人いて、長男くんは小4。うちの子どもより少し上なので、育児の先輩です。

とても愛にあふれた方で、お子さん一人ひとりをありのままにとらえ、心の底から存在をまるごと受け止める、心の温かな方です。彼女の発信を見ていつも、こういう親になりたいなと願うロールモデルのひとりです。

私が小1の壁に苦しんでいたころ、メッセージをくれて心がほぐれるようなお話を色々してくれました。

私も最初違和感いっぱいの1年生を過ごしていましたよ〜。

(子どもの友達がいきなり家に来て)私も最初は初めてで戸惑ってたんですけど、その子たちと直接話すようになったらすごくいい子たちで。 子どもに非はないな、と思いました。

子どもは自分の家庭の文化しか知らないので、所謂礼儀みたいなのがなってないかもしれないので、そういう場合は予めルールは伝えるようにするといいかもしれません。

(「気になる家庭の子」だった場合)息子とその子が話したり遊んでる様子を見て、楽しそうならいいじゃんと思うようにしてます。

正直親にとってはしんどいことも多いですけど、こうやって親も人として成長できる機会なんだ、と私は思うようにしてます。

戸惑ってうろたえていた私をそのまま受け止めて、穏やかな気持ちで手を引いてもらっているような感覚になりました。

よその親子を分離できず、親子をセットで考えてしまう。
相手を理解する前に自分の心を閉じてしまう。

そんな私は、おかたむさんのアドバイスをもらって以降、遊びに来た子どもにおやつを出しておしゃべりすることに挑戦してみました。

すると、本当に「あ、どの子もいい子だな」と思えたのです。
自分の心のバリアが取れたような、人間として一皮むけたような、うれしい驚きでした。

育児の先輩:夫の母

夫の母は、夫とその兄の男子二人を育てた育児の先輩。
夫が子どもの頃は「いつも大量の子どもが家にいる」家庭だったそうです。

結婚以来その話をよく伺っていたので、長男の友人が遊びに来るようになって「これか~!!」と腑に落ちました。

経験する前は想像できていなかったけれど、事前にたくさん話を聞いていたことで心構えのようなものができていました。ついにその時期がやってきましたと報告したら、「子ども達の様子が見えるのは安心しますね、掃除が大変だけど笑」と暖かい言葉をいただきました。

さすがは元・小学生男子。
私よりはるかに、息子やその友人の感覚を理解できるようです。

同時に、親としてどう子どもと接するのが良いか夫婦会議を重ねていつも相談しています。

その中で基本方針としているのは、友達とたくさん遊ぶ環境づくりをするということ。

誰かに悪影響を受けることを恐れて家庭内に収まるよりも、左右されない子に育てればよい。
人とのつながりの中でこそ喜びも成長もある。自然には起こりづらい、縦(異学年)のつながりを作ることが、親のできる環境づくり。

余談ですが、夫はまさにこの記事にあるように子育てのゴールデンタイムに全力投球しています。それは「今」を楽しむためでもあり、息子たちが思春期を迎えた時期に向けた信頼の構築でもあるようです。

そんな思いを形にするために夫は子どもたちの秘密基地を建設中です。

地域のつながり作りの例

我が家は、小学校入学時には知り合いがゼロでした。このため、保育園時代の人間関係は活用できません。また、子どもが小学生になったら、保育園時代のように、「クラス全員のLINEグループを作ってまとめて連絡」という面で押さえる方法が使えなくなりました。

そこで、地域のつながりを作るため、複層的にスライスチーズのように積み上げる作戦に切り替えました。

ようこ
ようこ
ちなみに我が息子は、単語でしゃべるタイプ。口数も少ないし、自分が話したいドッヂボールや給食やポケモンの話しかしないので、学校の様子はほぼ分かりません。

PTA役員

入学時点で知り合いゼロだったので、知り合いを増やす目的で長男が1年生のときに選考委員に立候補しました。

選考委員は、翌年のPTA総務役員の選出をする委員。1年~6年の保護者各1名、合計6名から成ります。
高学年の保護者と知り合う機会はPTAを除いては皆無。
学校や先生、地域のこと、小学生の発達のこと、様々なお話を聞けてとても参考になりました。

PTA役員仕事で平日昼間に学校に行く機会があり、「これが働く親への洗礼か…!」と思ったものの、上記のように先生と雑談する機会が持てたり、我が子の教室を覗いて様子を知れるのは収穫でした。PTAには合理性では割り切れない価値があると感じました。

1年生保護者なので、PTAのしきたりも知らず、保護者に人脈もない私。
選考委員としてはあまり役に立ちませんでした。しかし、委員の中では比較的IT系に強く、Zoom会議運営や資料作成議事録等で役割を持つことができました。

得られたもの

1年間それなりの負担はありましたが、他では得られないものが手に入りました。
ちなみに1年生保護者だと、各PTA委員の委員長にはなりません。

  • 学校、異学年の保護者とのつながり
  • 息子からは知りえない学校、先生、地域の情報(息子は口下手)
  • 平日の息子の様子

ボランティア

読み聞かせ、緑化(学校の花壇の整備)、図書室整備のお手伝い、登校時の検温確認など、長男の小学校には様々なお手伝い制度があります。コロナ禍の現在、すべてのお手伝いは任意参加のボランティアベースです。

私は読み聞かせボランティアに参加しました。
8:25~8:40の15分間。コロナで在宅勤務だったからこそ手を出せた活動でした。

 

得られたもの

始める前はずいぶん迷いましたが、年数回、朝15分なのでほぼ負担はありませんでした。
どの本にしようか選んだり、自宅で読む練習をする時間も楽しかったです。

ちなみに、先輩保護者によると親が学校に来ることを喜ぶのは、3年生ぐらいまで。
それ以降は、来てほしくない、来ても声をかけてほしくないなどの拒絶反応を示す子どもが多いそうです。

  • 長男の友達が「○○のお母さん!」と話しかけてくれる
  • クラスでの長男の様子がわかる
  • 他の児童や先生、教室の様子がわかる
  • 子ども達が喜んでくれてかわいい。
  • 同じく読み聞かせボランティアをしている他の保護者と知り合える。だいたい波長の合う人だったりする。

学童の父母会

小学校のPTA役員と学童の父母会役員、どちらかに立候補しようと思って父母会の役員アンケート用紙に「△」と書いていたら、うっかり役員になってしまいました。

ようこ
ようこ
話を聞いてから考えようと思ったけれど、△はほぼ〇ということらしい…

 

得られたもの

学童父母会は働く親の集まりだからか、業務内容がシンプルだからか、PTA選考委員と比較すると1/10以下の業務量。そして学童の先生や子どもとの関わりもあまり多くはなかったです。本業と自分軸手帳、PTA選考委員で完全にキャパオーバーしており、ほぼお役には立てませんでしたが、学童でビンゴ大会をしたり、楽しい思い出もできました。

  • 学童の先生との繋がり(少し)
  • 息子からは知りえない学童の様子(息子は口下手※再掲)

習いごと

1年生のはじめ、長男は学童で将棋に出会い、大好きになりました。
学童のお友達が数名近所の将棋教室に通っていると知り、お友達の保護者にお手紙を書いて知り合い、一緒に通うことになりました。

将棋の日は学童から男子5-6名で連れだって将棋教室に行き、児童館で遊び、最後は誰かの家で遊ぶというフルコースの楽しい日になっています。保護者数名でのLINEグループもあり、週末に公園で遊んだり、長男が一番仲良くしているお友達のグループです。

また、学校の体育館で開催されるバスケ教室にも通っており、そこでも多少お友達の輪ができました。残念ながらバスケは1年の終わりに辞めてしまいました。

得られたもの

このグループが、保育園のときのお友達付き合いに一番近いです。
保護者の皆さんも良い方ばかり、お互いの顔が見えるので、安心感があります。

  • 同学年の保護者とのつながり
  • 親同士が顔見知りで、子ども同士が家の行き来をできるお友達
ようこ
ようこ
こういうのばっかりだと楽なんだけど…

子ども自身と仲良くなる

上述のおかたむさんに教えてもらった方法です。
公園や通学路、児童館などで長男の友達に会うと、向こうから話しかけてきてくれることがあります。また、家に遊びに来たときは絶好の機会です。

自己紹介して話しかけると、びっくりするほど優しくて礼儀正しい子が多く、みんなしっかりしていて驚きます。

得られたもの

週末、家の近くを歩いていて顔見知りの子どもに次々会うようになりました。
それを、すごく幸せだと感じる自分に気づきました。

自分がみんなとつながって、「地域の一部」だという感覚がするのです。

  • 長男の友達が分かる
  • 長男から断片的に聞いていた物事の全体像が分かる(今日は児童館が休みなんだな、とか)
  • 歩いていて、バタバタと知り合いの子どもに出会うようになる

 

家を児童館に

学童で日常的に異年齢で遊ぶせいか、上の学年が下の学年の子どものお世話をする文化があるせいか、長男は上の学年の子どもともよく遊んでいます。

とある週末。
長男が同学年の友達と家で遊んでいたところ、家の前を通った上級生の友達が次々と遊びに来て、最終的に男子が20人くらい遊んでいました。

得られたもの

夫と私は、喜びも成長も人間関係から生まれるものだと考えており、「お友達と関わる機会をたくさん増やしたい」が方針のひとつです。

  • 長男が、同年齢・異年齢の子どもとたくさん遊ぶ環境
  • 子ども達の心からの笑顔

番外編

長男は、たぶんチック症です。(病院の診断などは受けていません)

保育園の年長ごろから始まり、運動チック(顔をしかめる、歯を打ち鳴らす)、音声チック(喉を鳴らす、声を出す)と現象を変えながらずっと続いています。幼年期にはよくあることだし、様子を見ようと思っていたら2年目。小学2年生の現在、音声チックの症状はかなり派手、ボイスパーカッション並みです。

長男だけを家庭で見ていたら、ストレスがあるのかととても心配になったと思います。
でも、長男を地域で育てる副産物として、様子が見えるのはとても安心です。
友達と揉めることも、彼の思う通りにならないこともあるようですが、周囲を見渡したり、意見を言ったり、人にやさしくしたりされたり、ちょっと悪いことをしたり。つまり彼はとても自然に育っていると、親の私は感じます。

まとめ:地域で子どもを育てる

我が子だけ見ていると、視野が狭くなります。
できないことが目に付いたりします。

でも大量の子どもを日常的に見ていると、「ま、こんなもんか」と個性だと捉えられるように思います。
息子の箸づかいが下手で気になっていた頃、息子の同級生5人が並んでごはんを食べている光景を見ていたら、全員箸に苦戦しており、小さなことを気に病んでいた自分に笑い出したくなったことがありました。私は無意識に大人の箸づかいを小学校低学年の息子に押し付けていたようです。

子どもにとっても、自分の家族の中だけで育つと「当たり前」を更新する機会がありませんが、たくさんの人と触れ合うことで世界を広げるきっかけになればと思います。

やりたいことは、手帳に書いておく

わたしは自分軸手帳の巻末の余白ページに、自分のミッションステートメントを書いています。

基本原則は、可能性と誠実
地域とのつながりは、出会う、集う、学ぶをテーマに、経験をつくりつながりの可能性を引き出すことを人生のミッションに置いています。

また、足し算のワークというページがあります。
人生でやってみたいこと、行きたいところ、欲しいもの、ありたい姿などを書くワークです。
このワークには、「顔見知りの子どもに次々会うくらし」と書いています。

書いておくことで意識にのぼり、迷ったときに自分を導いてくれる指針になると感じます。

自分が大切だと思うことを書きだし、実行することは、自分に深い満足感をもたらしてくれます。そして、ひとつ実現するごとに、やりたいことがより深まっていきます。

\自分軸を育てる、仲間と育てる/

最後までお読みいただきありがとうございました。
地域で育つって悪くないな、なんて思っていただけたらうれしいです。

ようこ
ようこ
手帳術や子どもとの日々、Twitter @Yoko_and_note でもつぶやいています!